東洋大学白山ラジオサークル「FAM」

こんにちは。東洋大学白山ラジオサークル「FAM」のBLOGです。

日記帳送ってください

僕は人の日記読むのが昔から好きで(盗み見るってわけじゃないですよ)高校の頃複数の友達に前日の日記書いてもらうっていう遊びをやったりしてた。人の日記を読むことへの欲望っていうのは多分自分がいないところで何が起こっていたのかを全て知りたい、という万能への憧れからきていて、歴史研究のモチベーションの根本が「人は自らが生まれた瞬間を覚えていない」ということからくる自分史の欠如にあるのと同じようなものである。

で、まあそんなことはどうでもよくて日記の話である。僕は何度でもいうが日記が好きで、だけど他人の日記ってのはそうそう読めるもんじゃないので(家に眠ってる日記帳があるっていう人は3000円で買い取るからyutamachi.fam☆gmail.comまで連絡してほしい)必然的に書籍化している文筆家や著名人の日記を読むということになる。銀色夏生つれづれノートに始まって(母が熱烈なファンで子供のころから家に全部あった)桜庭一樹の読書日記や吾妻ひでおの絵日記、町田康真実真正日記そしてルソーが死の直前まで記した『孤独な散歩者の夢想』に至るまでいろいろと買い求めてきた。最近買ったのは俳優・山崎努さんの読書日記『柔らかな犀の角』で、週刊文春に連載されているのが書籍になったものである。読書日記っていうのは基本的に読んだ本のことを書いているだけなのに普通の日記以上に執筆者の人格が伝わってくるのが面白い。「本棚を見ればその人が分かる」と誰かが言っているのを聞いてあーそうだなと思った記憶があるんだけど、どうして読んだ本の内訳でその人が分かるかって言えば、人格っていうのが読書によって作られるものだっていうこと以上に、一冊の本を読み切るためにはその本を読み切るだけの「何か」があらかじめその人の中になくちゃいけないという事実があるからだろう。僕は宗教色強い小説だと大体最後まで読み切れるので、要するにそういうことなんだと思う。(M藤)